去年、菜園の端に植えつけたラベンダーが、花を咲かせました。
鼻を近づけるとラベンダーの香りがします。
去年の秋ごろ3株買って、土に植えつけて。3株無事に成長して開花しました。
せっかくなので、株を増やしてみたい。
さっそく「差し木」に挑戦してみることにしました。
ラベンダーの挿し木
ラベンダーは、低木。
差し木で増やすことができると知ったのは数年前。
けれども、挿し木のやり方を知りませんでした。
5月の開花時期になると、花を取ってポプリにしていたのですが。
初代のラベンダーは、4年後に突然元気をなくしてしまい、枯れ木になってお陀仏してしまいました。
木が枯れてしまったら、もう復活は無理。もっと前に挿し木にしていれば、ラベンダーの命は繋がれたのに。
そんな失敗を克服すべく、挿し木にチャレンジです。
ラベンダーの差し木は、どの部分を使うの?
差し木にするのは、花やつぼみがついていない、新しい葉のついた新芽の部分。
10センチくらいの長さで切って、挿し木にするのだという。
こんなかんじで切ってみました↓
この新芽の差し木部分を、「差し穂」というのだそう。
切り口は斜め切りに
上の画像では、切り口が平行ですが。このあと、切り口を斜め切りにしました。
斜め切りにすることで、水分を吸い込む範囲が多くなり、発根しやすくなるのだといいます。
使うのは、アルコール消毒などして清潔にしたハサミ。
切り口から不要な菌の侵入を防ぐためだといいます。
斜め切りの段階で、一応、ハサミの刃の部分をエタノールで軽く拭いておきました。
斜め切りはカッターを使う人も多いみたいですが、私はハサミでカットしました。
土の中に入る部分の葉は、やさしく取りました。
1時間水揚げする
切った差し穂は、1時間の水揚げタイム。
その間に、挿し穂を挿す土とポットの用意をしました。
挿し木用の土
ネットで検索してみたところ。
ラベンダーの差し木には、「バーミキュライト」や「赤玉土」を使うのだそう。
水はけがよく、保水性にすぐれ、無駄な養分が入っていない土がベスト。
- 水はけがよい・・・ラベンダーは、水はけがよい乾燥地帯に生息する植物だから
- 保水性にすぐれる・・・差し穂から根が出るまでは、土を乾燥させず、常に湿った状態にしておくから
- 無駄な養分が入っていない・・・無駄な養分が入っていると、雑菌などが入りやすく腐ってしまう恐れがあるから
ハーブ用の土にも養分が入っているので、挿し木用の土には適さないのだそう。
運良く、倉庫の中に、使いかけのバーミキュライトがありました。
なんの用途で買ったのか。きっと、プランター栽培で自家製の土を作ろうと思ったのだと思いますが、面倒くさくて断念したのでしょう。
袋にも書いてあるように、バーミキュライトは「差し木・差し芽」に適した土として知られているようです。
バーミキュライトとは
バーミキュライトは、土壌改良用の土であり、「蛭石(ひるいし)・苦土蛭石(くどひるいし)」という鉱物を原料にしている。
苦土蛭石は黒雲母や金雲母などが風化した鉱物(ケイ酸塩鉱物)の一種。
バーミキュライトの原料になる蛭石は海外産で、それらの原鉱石を、800℃ほどで加熱風化処理し、10倍以上に膨張させたもの。
(ウィキペディア参照)
加熱の際に、アコーディオンのように剥離・膨張するので、「ヒル」という名前がついたのだそう。
アスベストもバーミキュライト
昔使われていた、アメリカのモンタナ州のリビー鉱山から産出された蛭石は、アスベストを不純物として含んでいたという。
昔の家屋や建物の吹き付けには、そのアメリカ産のバーミキュライトを使用したものが多く、後にアスベスト被害として、使用禁止になりました。
(ウィキペディア参照)
※現在は、アスベストを含んでいない南アフリカ産のバーミキュライトが使用されるようになったそうです。
それにしても、アメリカの地は、ネイティブアメリカンの居留地の地下に眠るウランなども含め、人間が手を出してはいけない地下資源が多く眠っていると感じます。
バーミキュライトはどんな土?
スコップですくってみると、軽くてサラサラしています。
これでは、ポットの底にネットを敷いても、下にこぼれ落ちてしまうのでは?と思いましたが、大丈夫でした。
バーミキュライトの農業用途は「土壌改良土」。
「多孔質で非常に軽く、保水性、通気性、保肥性がある。PHは中性。ほぼ無菌(ウィキペディア参照)」という性質をもっています。
見た目はサラサラしているのに、たくさんある小さな穴の中に、水分や養分を取り込んでいるので、保水性に富んで通気性にも優れるのですね。
この性質を活かして、ホッカイロの原材料にも、バーミキュライトが使われているのだそう。
だから使い捨てになったホッカイロを、除湿剤に再利用することもできるのですね。
使い捨てホッカイロには、バーミキュライトの他に活性炭も含まれているので、消臭剤としての効果もある。
ホッカイロには「鉄、活性炭、バーミキュライト、食塩水」が含まれている。
それなら、園芸用の土に再利用できたりするの?と思いつくところですが。
原材料の1つである「食塩水」として使用されている塩化ナトリウムは、土壌のバランスを崩してしまうことが大いに予測できるので、園芸用土としての使用は避けるとのこと。
しかし、使い捨てた後、園芸用土として使えるカイロもあるという。それらは塩化ナトリウムの代わりに塩化カリウムを使っているといいます。
土にしたい場合は、「土に還る・園芸の肥料になる」などと、うたっているカイロをチョイスするといいですね。
水分をたっぷり含んだバーミキュライト土に、挿し穂を挿しました。
バーミキュライトが浜辺の砂のようにやわらかかったので、割りばしなしでも、挿せました。
ここからは、日陰と木漏れ日のある場所で、水の管理に気をつけながら発根をしていきます。
どうなるでしょう。
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