柿の食べすぎは、柿胃石に注意

11月後半。柿が濃いオレンジ色に色づきはじめ、数日おきに収穫しています。

うちの柿は渋柿なので、収穫したらアルコール漬けと干し柿にします。

3年前に、柿の木が生えている家の前の敷地を譲り受け、今年で3回目の渋抜き。しかし今回はアルコール漬けに苦戦。人にあげようと大量に作ったのに、2週間経っても渋が抜け切れていません。

朝に3個ぐらい、やわらかくなったものを切って食べていますが、口の中に渋が残るかんじ。

トロっとした果実はジューシーで甘いのに、人にあげられず、台所の片隅で段ボールに詰められて鎮座しています。

試し食べという口実で、柿を好きなだけ食べられる状況は、大変だけどお得感があると思っていました。

しかし、柿を食べ過ぎると、胃の中に「石」が形成されてしまう衝撃の事実が発覚。私の計画していた「大量柿の加工計画」に、終止符が打たれたかんじ。

柿を食べ過ぎて胃の中にできる石を「柿胃石(かきいせき)」というそうです。

今回は柿胃石について調べてみました。

柿胃石ができる原因、安全な柿の食べ方。さらに、柿を冬の栄養源とする鳥や野生動物たちについても調べてみました。

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柿を食べすぎると柿胃石ができる

「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるくらい、柿は栄養豊富な果物。

ビタミンCやポリフェノールが豊富なので、食べると風邪予防になりそう。甘くておいしいから、ミカンみたいにたくさん食べてみたいと思っていたけれど。

柿を食べすぎると、胃の中に「柿胃石」という石ができてしまう、ということが発覚。

柿の渋味成分であるタンニンが胃酸と混ざり、そこに食物繊維がくっつき、固くなって石になるのです。

甘柿も、渋味は感じないけれどタンニンが含まれています。不溶性なので、口に入れても渋味を感じません。

一方、渋柿は水溶性タンニン。口に入れると渋味成分が溶け出し、渋味を感じます。

渋柿のアルコール漬けや干し柿は、水溶性タンニンを不溶性に変化させるための工程。

つまり甘柿だったら柿胃石ができないということはなく、柿全般を食べすぎれば胃の中に石ができるということ。

柿を毎日食べ続けると、石は大きくなっていきます。

石で胃の粘膜が傷つけば、胃炎や胃潰瘍の原因に。腹痛や嘔吐を引き起こします。

石が小腸に流れ込めば腸内で詰まり、腸閉塞を発症。緊急手術が必要になるケースも多いようです。

柿胃石は不溶性で溶けにくいため、胃にとどまり続ける厄介な存在。

ネットで調べてみると、コーラを飲むと石が軟化し砕きやすい状態に変化するそうです。コーラに含まれる酸と炭酸に、そのような効果があります。

でもコーラ自体が、飲み過ぎるとよくない嗜好品。そんな療法をしないといけなくなるくらいなら、石を作らないほうがよい。

柿胃石ができやすい人

6個~9個くらいの渋抜き柿を、複数人に配りまわる計画でした。でも柿胃石の不安があるので、むやみにたくさんの量をおすそ分けすることもできなくなりました。

高齢者や、胃の働きが弱い人は、柿胃石ができやすいといいます。

私が配ろうとしている人たちは高齢者が多いので、少しでも安全に健康に、柿を食べてもらいたい。

糖尿病を患っている場合、胃の働きが低下しているので、これまた注意が必要。

ガンなどで胃の切除手術をした人も。胃の出口部分である幽門を切除していると、石が腸に移動しやすくなり、腸閉塞を引き起こしやすくなるので注意。

柿は、がんの予防や老化防止にもなる栄養満点の果物なのに、残念。

柿胃石を防ぐ柿の食べ方

柿胃石を作らないために意識したい、柿の食べ方は↓

  • 健康な人であっても、1日1個が妥当な量
  • 毎日食べ続けると危険なので、旬の時期に、ささやかな量を口にする
  • 空腹時は胃酸の濃度が高いため、食事の後など、何かを食べて胃が働いている時に食べる
  • 柿と一緒に水分を多く取る
  • 食べものを食べる時は、よく噛む
  • 胃の調子が悪い場合は食べるのを控える
  • 胃に異変を感じたら食べるのを止める

柿って、「足るを知る」果物だと思いました。

食べ過ぎてはいけない。欲を出し過ぎては、わが身を亡ぼす。

「ほどほど」「いい塩梅」がよい。

何事も、度を超えてはならないと。

鳥や動物は、柿を食べすぎても平気なの?

人間は、柿を食べすぎると柿胃石ができる。

では、柿を冬の主な食糧源としている鳥たちは大丈夫なの?

疑問になったので調べてみました。

鳥は、普段から小石や砂を飲み込み、食べ物を消化しています。

鳥は歯が無く、食べた物を砕けません。そのため小石や砂を飲み込みます。鳥は、砂嚢に溜め込んだ小石や砂と、筋胃によって食べ物をすりつぶし消化します。

だから市販の鳥の餌には、食べても安全な小石や砂が混ざっています。

砂嚢に貯め込まれた石は「胃石(いせき)」。つまり鳥は、胃の中に石があるのが当たり前。

胃石はすり減って小さくなり、すりつぶしに利用できなくなれば糞と一緒に排出されます。

柿って、野鳥たちのためにある果物だと思いました。

熊など野生動物は?

熊やタヌキ、猿、ハクビシンなど、野生動物たちも冬の食糧源として柿を食べます。

熊などは体が大きいため、大量に食べます。

動物が柿を食べすぎると柿胃石ができるかどうかは、調べてみても答えはわかりませんでした。

野生動物の消化器官は、単純な構造をしているそうです。食べた物が、ある程度の形を残し、糞として排出されます。

熊が主食にしているどんぐりには渋味があり、タンニンが含まれています。熊は脂肪をため込むため、秋にどんぐりを食べまくります。食べた分だけ胃石ができてしまったら、生きていけません。

唾液中の分泌物がタンニンと結合する

調べてみたところ、熊の唾液は「プロリンリッチプロテイン(PRPs)」という、タンニンと結合するタンパク質を分泌しています。

人間の唾液からも分泌されるこのたんぱく質は、タンニンの毒性を減らす働きをしています。タンニンを摂取しても消化不良を起こさないのは、プロリンリッチプロテインのおかげだったのですね。

ちなみに私は、コーヒーを飲むと胃の調子が悪くなり、気持ち悪くなります。それって実は「消化不良を起こしていた」ということ。私の唾液は、プロリンリッチプロテインの分泌が弱いのでしょうか?

プロリンリッチプロテインは、唾液線である耳下腺から分泌されます。

熊の耳下腺は9月以降大きく肥大し、プロリンリッチプロテインの産生量も増加するといいます。

(下記サイト「原著論文 ツキノワグマ(Ursus thibetanus)はタンニン結合性唾液タンパク質の分泌能を有するか」参照↓)

つまり熊は冬ごもりに向け、どんぐりや柿を大量に食べても、唾液から分泌される大量のプロリンリッチプロテインによって、タンニンの悪作用が低減されるということ。

野生動物は、食べる物に適した体に進化しているので、大丈夫なのですね。

覚えておきたい、柿を食べ過ぎるデメリット

柿胃石の他にも、柿を食べすぎることで気をつけるべきことを調べてみました。

  • 身体を冷やす(水分やカリウムによる利尿作用)
  • 便秘になる(タンニンや食物繊維の採り過ぎ)
  • 糖質の採り過ぎ(糖分。特に干し柿は糖度が濃縮されている)

柿を食べるメリット

柿を適量食べるメリットを調べてみました。

  • 風邪予防(ビタミンC)
  • 二日酔い防止(タンニンがアルコールを分解し、体外へ排出するのを助ける)
  • むくみをとる(カリウムが体内の余分な塩分(ナトリウム)を体外へ排出するのを助ける)
  • 美肌効果(ビタミンC・βカロテン)
  • 便秘解消(食物繊維)
  • 血糖値の上昇を抑える(タンニン)
  • 抗酸化作用・発がん予防(タンニンのポリフェノール)
  • 糖尿病予防(β-クリプトキサンチン)

ざっとあげただけでも、色々な効能がある柿。

食べすぎは禁物だけれど、生薬のようなつもりで摂取するとよいのかも。

実際に、柿の葉・ヘタ・干し柿は、生薬として古くから利用されています。

甘柿・渋柿・干し柿のちがい

甘柿・渋柿・干し柿は、それぞれ栄養素の量が異なります。

甘柿はビタミンCが多く含まれ、美肌効果や風邪予防に最適。水分も豊富。

干し柿は、ビタミンC・Aが少なくなる代わりに、食物繊維やカリウムが豊富。水分が抜け、糖度やポリフェノールの成分が凝縮し、保存食やエネルギー源として利用されます。

渋柿は、そのままでは食べられないのでアルコール漬けや干し柿に加工しますが、それ以外の使い道も。

柿の渋には「防腐・防水・防虫・防臭・抗菌」効果があり、古くから塗料や民間薬として利用されています。

塗料である「柿渋」は、実が青い渋柿を使い作ります。

なら作ってみたいと思い調べてみたら。青い渋柿を砕き、水に浸して2年くらい発酵させないといけないので、家で作るのは大変かも、と思い断念。

まとめ

柿の木が生えている家の多くが、柿が大量に実ったまま、収穫せずに放置してあります。

今までは「どうして収穫しないのかな」と思っていたけれど。食べすぎると危険だということを、みなさん知っているから、かもしれません。

これからは、秋も深まる時期に柿を見たら「足るを知る」を思い出し、人間としての生き方をあらためて問いなおし、鳥や野生動物への配慮も心がけるきっかけになると思います。

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