今年から作り始めた新しい畑は、野菜の成長がゆっくりペースで進みます。
でも無肥料無農薬の菜園にしては、バランスの良い土の状態のようで。雑草や、野草に近い野菜などは、健やかに成長しています。
スベリヒユ
私には、大好きな野草があります。「スベリヒユ」です。
ポーチュラカに似ている、多肉植物です。
おひたしにして食べられるし、グランドカバーにもなるし、黄色い花もかわいい。他の野菜に悪さをしない。
新しい畑には、スベリヒユはないと思って、わざわざ今年の春に種まきしました。
種の名称が「スベリヒユ / サマーパースレイン」となっていますが。
ヨーロッパでは、スベリヒユは「パースレイン」と呼ばれ、ハーブに分類されているようです。
スベリヒユの種は、黒くて小っちゃいのですが。素焼きの鉢や、畑の開いてるスペースに、仕込んでおきました。
そしてそのまま、5月が過ぎ、梅雨が始まり・・・なんの音沙汰もない日が長く続き、やっと発芽しはじめて。
7月に入る頃から、元気な姿で存在感も出てきました。
先日、少し収穫して、おひたしにして食べました。
スベリヒユの生育地
スベリヒユは、世界の熱帯から温帯まで幅広く分布しています。
日当たりのよい乾燥した土地で成長する植物で、畑、空き地、庭など、平地のあらゆる所で姿を見ることができます。(Wikipedia参照)
農家さんの畑では、猛威をふるって生え過ぎるので、厄介者扱いされているということ。
無肥料無農薬の小さな自然菜園作りをしている私からすれば、とてもうらやましいのですが。それだけ生命力が強いのですね。
スベリヒユの栄養素
スベリヒユは、日本の山形県や世界の国々では、食用として認識されています。
では、どんな栄養が含まれているのでしょう。
オメガ3
スベリヒユの代表的な栄養素は、オメガ3脂肪酸。
スベリヒユのオメガ3脂肪酸は、植物の中でナンバー1の含有量を誇るそうです。
オメガ3脂肪酸は、青魚やクルミ、アマニ油などに含まれていて、外の食べ物から摂取する「必須脂肪酸」です。
オメガ3脂肪酸といえば、血液がサラサラになり、動脈硬化予防のイメージがあります。
また、便秘の改善や、肌にうるおいを与えるなど美肌効果もあります。
その他の栄養素
その他、スベリヒユには、ビタミン、ミネラル、タンパク質、鉄分などが豊富に含まれています。
生薬としてのスベリヒユ
スベリヒユは「五行草」「馬歯莧(ばしけん)」という名で、生薬として用いられます。
漢方薬の原料になる、自然界に存在する動植物のこと。
生薬は、砕く、乾燥させる、熱を加えるなど、なんらかの加工がされる。
生薬として用いられるスベリヒユは、花も実もある最盛期に採集し、全体を乾燥させて使用します。
山形では実際に、夏に収穫したスベリヒユを乾燥させて、保存食にしているそう。
ちなみに山形では、スベリヒユではなく「ひょう」と呼ばれているそうです。
生薬では、乾燥させた五行草を湿布にして患部に塗ったり、口から入れて使用したりします。
- 熱が出た際の解毒作用
- 熱による出血を止める作用
- 熱毒や湿熱による下痢の改善
- 熱や炎症などの火毒による皮膚炎への使用
いずれも「熱」を持った症状に対して用いられている印象です。
この生薬の性質は「酸・寒」だそうです。
「五行草」の由来
「五行」とは、中国の「木火土金水」の五行の意味ですが。
なぜ、そんな立派な名前をもらったのか。
それは、スベリヒユの全体の色に関係していました。
五行を色であらわすと「木=青」「火=赤」「土=黄色」「金=白」「水=黒」。
スベリヒユに照らし合わせてみると、「葉が青、茎が赤、花が黄色、根が白、種子が黒」と、見事に五行の色を網羅しています。
それで、スベリヒユは「五行草」と名付けられました。
(参考サイト)
スベリヒユの食べ方
海外では、生のままサラダにしたり、炒めて食べたりするようです。
日本では、おひたしにすることが多いという。
わたしも、スベリヒユはおひたしが一番簡単で、さっぱり食べられて好きです。
オメガ3は熱に弱く、調理すると成分が失われたり、酸化してしまうので、たいていは生で食べるようですが。
スベリヒユには「シュウ酸」が含まれているので、シュウ酸の成分をなくすためにも、私ははじめに湯がいてしまいます。
練りがらしと合う
おひたしにしたスベリヒユには、だし、ポン酢、練りがらしが、よく合いますよ。
はじめてスベリヒユのおひたしにトライしたときには、たまたま冷蔵庫にあった、納豆の付属のたれをつけたのですが、これがとてもおいしかったのです。たれは甘味のある味で、練りがらしもセットでついていたわけです。
この味から離れられず、今もだしと練りがらしは必ずトッピングしたい調味料です。
スベリヒユは、さっぱりしていて、粘り気があり、するっと簡単に食べられます。夏の滋養強壮に適しています。
おわりに
山形では、乾燥させて保存食にして、それをお正月などに煮物にしたりするという。
スベリヒユがたくさん収穫できたら、それもやってみたいな。
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