9月といえば、芋虫毛虫が道路を歩く時期、というイメージがあります。
まだ暑さが残る9月というのは、幼虫たちが活発になる時期なのでしょうか。
柿の木の葉っぱに、大量の毛虫が出現しました。
怖れを抱いた人が、枝ごと落としたら、
柿の木の下にある青シソにくっついて、集団で食害をはじめました。
以下、毛虫の画像。閲覧注意レベル10のうち4くらい。
白い毛の中のボディが、黒い点の模様つきなのが、グロテスク気味の気になる点。
もっと小さい時は、全体的に「とろろそば」みたいな集合体をつくって、成長を開始しようとしていました。
一応、その「とろろそば」がついた青シソは撤去したのですが。もちろんまだいるのはわかっていた。
集団で食害する白い毛虫
葉っぱを食べて、大きくなろうとしていますが。
細身の体で、不思議と、大きくなるほど白い毛が目立って長く伸びるので、そこまで見るに堪えないものではありません・・・けれど基本、芋虫毛虫青虫類は大の苦手です。
この白ふわ毛虫の特技は「逆さになって歩くこと」か。
ドラえもんの手のような、丸い足。色は黒いので、足の動きがよく見えます。
とことこ、とことこ。「うまいでしょ」と言ってるようで。
葉っぱの裏にいるやつは、白い毛の先しか見えない。
毛虫じゃなくて、なにかの雑草の綿毛がついてるのかなと思ってしまう。
以下画像。中央の、クローバーの後ろにいるシロふわ。
一体この子ら「何者」なのか。
調べてみたら、どうやら「アメリカシロヒトリ」という名前の蛾の幼虫であることが判明。
アメリカシロヒトリの幼虫
アメリカンな外来種が、なぜうちの畑に?
ヒトリガとは
「ヒトリガ」は、「飛んで火にいる夏の虫」の由来となった虫です。
夏の夜に、照明の光に集まってくる虫のひとつであり、明るく燃える火の中にも飛び込んで、燃えてしまう習性があるため、そんなことわざができたんだとか。
幼虫の頃は茶色い毛むくじゃらでクマケムシと呼ばれるヒトリガや、真っ白い羽根と毛皮のマフラーに、黒い瞳の女王様チックなシロヒトリなどは在来種ですが。
アメリカシロヒトリは外来種であり、第二次世界大戦後にアメリカの軍需物資に付いて渡来したとされるそうです。(ウィキペディア参照)
アメリカシロヒトリの成虫は、白い羽に黒く小さなドット模様がついています。
幼虫の頃は、樹木をはじめ葉っぱを旺盛に食べて、栄養をたくわえたあと蛹(さなぎ)になり、成虫に生まれ変わります。
成虫になると口が退化するので、食害はなくなります。
蝶と同じくストローで花の蜜や朝露などを吸って生き延びるのでしょうか。
1週間ほどの間に交尾と産卵をすませ、短い一生を終えます。
毒のない毛虫
動物のような毛に覆われたヒトリガの幼虫ですが、その毛に毒はないそうです。
けれど、むやみやたらに触れると、アレルギーを起こしたりする可能性があるので、やはり近づかない触らないに越したことはありません。
毒のある毛虫
毛虫のうち毒をもつ毛虫は、全体の2割なのだそう。
- チャドク゚ガ・・・アメリカシロヒトリの幼虫が白鳥だとすれば、チャドク゚ガの幼虫はその黒鳥バージョン
- ドクガ・・・いろいろな種類があり、サボテンのような花火のような毛をほとばしらせている。「俺に近づくな、気をつけな!」のサインを見逃すな!
- イラガ・・・固そうな尖った触覚みたいなものが8つくらいある。丈の短い四角っぽい形の黄緑色
- クロシタアオイラガ・・・イラガに、赤と青の縦線が一本入っているかんじ?
- マツカレハ・・・松の葉を食べるので、松にいるはず。黒くて細長い
とりあえず、毛虫を見つけたら離れて、そいつが何者なのか知るまでは、気を許してはいけません。
毛虫は天敵に任せる
自然農法や有機農法の場合、毛虫を見つけたら「捕殺」するのが一般的ですが。
私は捕殺をするのも面倒です。
鳥さんに食べてもらえたらいいのに、と思っていたら、
ウィキペディアにも、アメリカシロヒトリのページに同じことが書いてありました。
1970年代から80年代にかけ大発生し、養蚕農家などに大きな被害があったが、その後は同様の大発生は減っている。原因は不明だが、鳥類や寄生バチなどの天敵の捕食対象になったため、大規模な発生が減ったと考えられる。(ウィキペディアより抜粋)
やはり「地球は循環している」。
大量に発生する生き物がいれば、それを捕食する天敵がかならずいるものなのです!
自然農法で大切にされている論理は、「生き物すべてを活かす環境づくり」。
普段から色んな生物たちが訪れる畑や庭を作っていれば、なにかが突出して過多になることはないのです。
柿の木にも小鳥たちがやってくるので、その子たちに任せようと思いました。
もう秋ですから。冬に向けて、小鳥たちも食いだめしておかないといけませんしね。
- アシナガバチ
- スズメバチ
- ヤドリバエ
- 寄生蜂
- クモ
- シジュウカラ、スズメ、ムクドリなどの野鳥
こちらのサイト記事を参照↓
9月の幼虫たちは越冬する子たち
ヒトリガの産卵期は、年に2回あるそうです。
幼虫が発生するのは6~7月、8~9月の2回。
5~6月に、さなぎになって越冬していた子たちが成虫になり産卵する。
産みつけられた卵から、10日後くらいに幼虫が孵化し、7月下旬に成虫になる。
成虫は産卵し、8月~9月に幼虫が孵化する。
秋口に産まれた子たちは、成長しきると地面に降りて、土の中で蛹になって越冬し、翌年の5~6月に成虫になって出てきて産卵する。
いま、柿の木の葉っぱや青シソで食道楽している子たちは、越冬組。
もう少し寒くなったら、柿の根本の地面にでも潜って蛹になり、寒い冬を越すのですね。
おわりに
柿の木の下に生えていた青シソは、今年の夏に、一番の収穫場でした(玄関の地続きにあったため)。
秋になって、こんどはシソの穂を収穫しようと思っていたのに。かなり予想外の展開。
まさか、ちっこい白ふわたちに食害されるとは。
これも「循環」のひとつでしょうか。成虫になったら、その姿を見てみたいものです。
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