3月後半。
畑にする場所に、「ヤブガラシ」という植物が生えてきています。
ヤブガラシの撤去
ヤブガラシは、放っておくと大変なことになるらしい。
撤去してみることに。
太くて長い、ヤブガラシの根
大きなスコップを使って、小さなヤブガラシの芽を、根こそぎ撤去してみようと思ったら。
細い芽の下には、太くて大きな根がついていました。太くて大きいだけじゃない。長縄の縄ように長い。
力任せに引っ張れば、ちぎれてしまうので、慎重に引き抜いてみる。まるで地面との綱引きをしているみたい。
地面から、長い根がどんどん続いて出てくるのが「おもしろい」。(「おもしろい」どころではない、悩ましいことですが・・・)
一つの根を、最初から最後まで、きれいに取り除くことはできませんでした。とちゅうで根が動かなくなって、そこで切れてしまう。
ヤブガラシの赤い小さな芽が、地表に点々と出ている。それらは個体ではなく、土の中では一本の太い根にくっついている。根を引き抜こうとすると、点々と出ているヤブガラシの芽に行き当たり、根こそぎ取れる。一個一個駆除しなくてもいいのは、楽ですが。
調べてみると、ヤブガラシの根は長いだけでなく、1メートル以上の地中深くまで達しているらしい。
私は途中で切ってしまったので、地中深くの根がまだ残っています。
ヤブガラシの根は、ノビルなどの球根と違って、地表に放置しておけば枯れるそうですが、もしもの場合を考えて、やはりしっかり可燃ごみとして処理したい。
ヤブガラシの生態
ヤブガラシはつる性の多年草で、夏の時期に葉を茂らせ、光合成によって地下の根に栄養を補給するそうです。
藪や空き家など、手入れされていない環境の中では、木々や壁を覆いつくすほどに繁殖し、他の植物の呼吸を遮り、枯らしてしまうことから「ヤブガラシ」という名前がついたのだそう。
ヤブガラシには、スズメバチが寄ってくる
6月から9月頃に、ヤブガラシは花を咲かせます。
ヤブガラシの花から分泌される蜜が、多くの虫たちをおびき寄せるのですが、なかでも危険なのがスズメバチ。
ヤブガラシの花は、スズメバチの短い舌でも、蜜を舐めやすい形状になっているのだそう。
最悪、夏になったらヤブガラシの花だけでも撤去することで、虫が来るのを防ぐことができるようです。
ヤブガラシのつるを、ぐるぐる巻きにして地表に放置する
全撤去が難しいヤブガラシの根。
夏の繁殖期に、すでに広がってしまった場合。
ヤブガラシのつる同士をグルグル巻きにして、根本の地表に置いて放置しておくとよいらしい。
なんでもヤブガラシのつるは、他の植物に巻きつく性質があり、同種の葉への巻きつきを避けるらしい。
つる性植物には、自他識別能力がある
つる植物には「自他・自種識別能力」があるという。
つる植物に巻きつかれた他の植物は、成長を抑制されてしまう。
同じ株同士のつるが巻きつくと、本元の根に栄養が届かず、自分たちの成長を妨げてしまう。だから進化の過程で、自他識別能力をもつようになったようです。
ヤブガラシにはシュウ酸の成分が含まれていて、何かと接触した際に、シュウ酸の成分を感じ取った場合、自株と判断して巻きつきを避けるらしい。
つる性植物の研究は、ダーウィンの時代から続いていて、現在も、つる性植物の自他識別能力の実験が、多くの大学でされているようです。
ヤブガラシは食べられる
駆除対象になっている「ヤブガラシ」。実は食用になる。
5月から9月の頃の、つる先のやわらかい若芽や若葉を食べるそうです。
アクがあるため、素手で摘むと黒くなってしまうので、手袋で。
ヤブガラシはアク抜きの下処理が大変
ヤブガラシには、シュウ酸カリウムが多く含まれているため、アクが強く辛みがあるそう。
アク抜きをしっかりやらないといけません!
シュウ酸は水溶性なので、熱湯でしっかりと茹でてアク抜きし、その後も水に浸して、何度も水を変えながら、長時間アク抜きをしないといけないようです。
私は、今のところ食べる予定はありません。
ヤブガラシは、リクガメの餌になる
食用としては、人間よりもリクガメに与えるのがよいでしょう。
なんでもリクガメは、ヤブガラシの柔らかい新芽や茎、葉などを好んで食べるらしい。
収穫するときには、虫やスズメバチに注意しましょう。
終わりに
放っておくと、大変なことになる「ヤブガラシ」。
小さな頃、旅行に行く高速道路脇の藪や、車窓から見える藪を、同種の緑の葉っぱが、モクッと覆いかぶさっている光景をよく見かけました。空き家の壁から屋根まで覆いかぶさっている光景も。
あの藪、あのつる性植物を全撤去したいけど、できないよな。なんて思っていました。
つる性植物、恐るべし。
せめて、手の届くところのヤブガラシは、消滅させていきたいものです。
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