初春から。新しい畑の環境に生えはじめた、細い草がありました。
はじめは、私が去年植えつけたネギかタマネギの小さな苗が、生き残っているものと思いました。だから抜かないで放置しておいたのです。
3月になり、「ネギの子供」だと思っていた細い草は、どうやらネギではないことが判明(姿がちがう)。
土の表面に出た白く細い茎には、紫色の細い線が入っています。
おそらく雑草。
球根植物「ノビル」
大きなスコップで根こそぎ撤去しようと思ったら、下についているのは根ではなく。根の先に小さな白い球根がついていました。
球根の雑草は、質(たち)が悪いと思っていて。だって、分球して広がっていくから。
掘り起こして、ビニールに入れて、清掃工場行きにしました。
水仙の球根を断捨離しているときにも、ちょくちょく抜いているのですが。
ところで、この植物はなんだろうとググってみたら、「ノビル」という植物らしい。
ノビルは食べられるそうですが。とにかく広がるらしい。
ノビルの強力な生命力について、こんなブログ記事を見つけて、楽しく読ませていただきました。
ノビルは食べられる
ノビルを「駆除球根」に認定した私は、ノビルを見たら撤去することにしました。
「一歩歩けばノビルに当たる」という状況。
1回ですべて撤去することは無理なので。畑の手入れの際に、ちょくちょく抜いていくことにしました。
1回目のノビル撤去後。余裕が出た心のスペースに入ってきたのは。
「ノビルは食べられる」という事実。
古代から食用とされていて、今でも地方などでは、ノビルは雑草ではなく「食べられる野草」の扱いだそう。
両親に聞いてみると、子供の頃、ふつうに食べていたとのこと。
母曰く、「ノビルの油味噌」がおいしかったそう。ノビルと味噌を、油で炒めたレシピですね。
ノビルの油味噌炒めは、火を通すことで刺激をなくし、エシャロットに似ているので、ご飯のお供に最適です。
ノビルの栄養素
ビタミンCやカリウム、カルシウム、食物繊維が多い。β-カロテン、ビタミンB2、葉酸、鉄 などを含む。ニンニクと同様の成分アリインを含み、その分解物であるアリシンはビタミンB1の吸収を助け、エネルギー代謝を促進する。
(ⓔヘルシーレシピのサイトより抜粋)
ニンニク・ラッキョウ・ニラのような、臭いと味のノビル。
油味噌炒めは、そりゃ、ご飯のお供として申し分なく、おいしいでしょう。
栄養素も、滋養強壮に効果のあるかんじです。
詳しく知りたい方は、下記のサイトなどで調べてみてください。
お互いを補い合う成分が含まれているので、血液を濃くしたり、骨粗鬆症予防など、魅力的な効能があるのですね!
「野草」で、ふと頭に浮かんだのが。
『 翔んで埼玉』で、「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ」というセリフ(実際観ていないけど)。
「そこらへんの草」とは、野に生えている草のこと。
よもぎ、菜の花、ノビルなど「食べられる野草のことか!」と気づきました。
埼玉県は自然豊かで田畑も多いので、食べられる野草がたくさん生えている環境なのですね。
見下す言葉ではなく「事実」だった!
人は古来から、そこら辺の草を食べていたのです。
実際に食べてみた
ノビルの収穫時期は、3月から5月頃。
3月後半でしたが、畑のノビルは小さめ。でも食べてみよう。
ノビルを採ったら、水できれいに洗います。
ノビルは生で食べられるそう。でも刺激があるらしい。だから酒のつまみなどに合うらしい。
私は熱を通します。
ノビルをきれいに洗って、茹でてみました。
茹でると、鍋の中からネギのような良い香りがしました。
茹で上がったノビルの球根部分は、半透明になっていました。
食べてみたところ。味は、球根部分はラッキョウのよう。葉の部分はニラのよう。
畑のノビルの球根は、まだ小さい。5月頃になったら、もう少し大きなノビルを収穫できるかな。
ノビルと似た植物に注意!
食べられる野草には、セットのように、よく似た植物が存在します。
よく似た植物には、毒性のものが多い。
たとえばニラとよく似た葉っぱを持つ水仙には、毒があります。
水仙は球根植物ですが、地表から出た葉っぱは、ニラの葉に似ている。
ニラには独特のにおいがあり、水仙にはにおいがありませんが、畑に植えたニラを収穫する際に、すぐそばに水仙の葉が生えていた場合、間違って、一緒に収穫してしまう危険があるそう。
水仙は球根から葉っぱまで、毒がありますが。口にしなければ大丈夫なようです。
球根に毒があるから、水仙が埋まっている周りの土も、毒に侵されているんじゃないか、という不安も出てきますが。そういうことはないようです。
ただ、口にしてしまうと中毒を起こして、死の危険があります。
だから、植物を収穫する段階から、注意しないといけません。
ノビルに似た植物として、よく挙げられるのが「タマスダレ」だそうです。
<ノビル>
- 球根は白い
- 葉は細く繊細
- ニラのようなにおいがする
<タマスダレ>
- 球根には、茶色い皮がついている
- 葉はつやがあり、丈夫な印象
- ニラなどのようなにおいがしない
食べられる野草は、自然のサイクルによって芽吹きます。
それぞれの季節に必要な栄養素をもっています。
食べられる野草、あなどれません。
ノビルの今後を観察してみます。
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